「ルルー…」
「スザク」
目の前の首に腕を回し、自分の唇をスザクのそれに押し付けてそれ以上の言葉を遮った。
ただ重ね合わせるだけの拙いキス。
触れ合った唇から伝わる不確かな熱がルルーシュの躊躇いを溶かしていく。
「…んっ」
そっと唇を離し、睫毛が触れるほど近い距離でルルーシュはスザクを見つめた。
戸惑いに揺れる常緑の瞳の奥には、確かな熱が燻っている。
今ので火がついてしまったのだろう。スザクは困ったように目尻を下げた。
「そんなことされたら、止まれないよ?」
「何をいまさら。お前が自分を抑えたためしがあったか?」
それを言われてしまうと、スザクはぐっと答えにつまるしかない。
その様子を見てふっと不敵に笑ったルルーシュは、首に絡ませた腕の強さをさらに強くした。
「いいぞ。もっと…俺を求めろ」
「まったく君は…」
そんなに煽って、どうなっても知らないよ?
スザクが耳元に落とした囁きに一瞬ぴくりと体を震わせたルルーシュは、挑発するようににやりと笑ってスザクに言い返した。
「望むところだ…スザク」
最後に掠れる声で呼ばれた自分の名前に、スザクの理性の砦は崩壊していく。
その衝動に身をまかせて、スザクはルルーシュの体を掻き抱いた。
君にはかなわないや、とスザクが呟いた声を合図に、二人はすぐそばにあった大きな寝台のシーツの波に沈みこんだ。




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