スザクから教えてもらった情報はありがたいが、ここから生徒会室は遠い。
辿り着くまでに誰かに見つかってしまう可能性が高いだろう。
それよりは近場で隠れるところ探そう。
そう思って目の前の廊下へと足を踏み出した時。
「あ、ルルーシュ見ーつけた!!」
右角から現れたのは、ミレイ・アッシュフォード率いる生徒会メンバーであった。
やばい、と頭の中で告げた本能に忠実に、元いた部屋に戻ろうと背を向ける。
しかしこの手のことに関してはミレイのほうが一枚も二枚も上手であった。
「行けー!リヴァルにスザク!ルルーシュを確保よ!」
その言葉を聞くや否や、二人はルルーシュめがけて走り出す。
普段からでも二人には、特にスザクには、勝ったことがないというのに、運悪いことに女装中だったルルーシュに勝ち目はなかった。
あっさりと二人に両脇から抱え上げるように捕まえられて、ルルーシュは足をばたつかせる。
「会長っ!」
「ふふふー。捕まえたわよ、ルルーシュ!」
「っ…くそっ!離せ!スザク!リヴァル!」
「ごめん、ルルーシュ。でも会長命令だから」
ルルーシュの要求を、スザクは爽やかな笑顔でさらっと受け流す。
「お前!誰にも言わないって言ったじゃないか」
「僕は誰にも言ってないよ」
「嘘だ!」
「実は僕が貸してもらったこの携帯端末、ニーナ特製の盗聴器がついてるんだ」
「なっ…そんな!」
じゃあ、ミレイたちはスザクとの会話を盗み聞きしていたというのか。
「よーし。じゃあルルーシュを生徒会室に連行!っと」
「連行って…何をする気ですか?」
「それはもちろん…行ってからのお楽しみよ!」
そのままルルーシュはずるずると引きずられていく。
「ちょ…ちょっと待て!離せ!!」
「諦めろよ、ルルーシュ。会長に捕まったら逃げられないぜ」
リヴァル、この薄情者!
「ルル、ごめんね。でも悪いようにはしないから」
シャーリー、その手に持っているカメラは何だ?まさかこの姿を撮るつもりか!?
「ルルーシュは僕たちに捕まったんだから、大人しくしててね」
スザク!捕まったのはお前のせいだろう!その胡散臭いほど爽やかな笑顔は何だ!?
「そうよ!ルルーシュは私たちに捕まったんだから!」
楽しそうに笑うミレイとは正反対に、ルルーシュの悲鳴が廊下に響き渡る。
その後、生徒会室で起こったことを知るのは、生徒会メンバーのみであった。
ルル総受けED <会長には誰も逆らえない。>