せっかく教えてもらった情報を使わない手はない。
そう思ってクラブハウス内への生徒会室へと向かおうと足を向けた。

「あーあ、やっぱりね」
「…スザク!」
さっきの電話の相手がこの場にいることに驚く。
「君は僕を信用しすぎだよ、ルルーシュ」
「お前…生徒会室にいたんじゃなかったのか?」
「そんなこと一言も言ってないよ。それより話は後。会長達がすぐにここに来るから」
そう言ってルルーシュの腕を強引に掴み、引っ張っていく。

「なんで会長達が…?」
「君に電話したあの端末、実はニーナ特製の盗聴器が仕込んであるんだ」
「なっ…」
「つまり君は自分で自分の居場所をばらしたってこと」
淡々と言葉を発しながら、スザクはどんどんと廊下を歩いていく。

「お前…!俺を売ったのか!」
「売るだなんて人聞きの悪いこと言わないでよ。ちゃんと助けに来てあげたじゃないか。むしろ会長たちに捕まらないで済んだんだからお礼を言って欲しいぐらいだよ」
「う…確かにそれはそうだけど」
会長に捕まるなどということは、考えたくもない。
一体どんな罰ゲームが待っていることやら。

そこまで言ってはた、と気付く。
自分の腕をしっかりとつかむスザクの腕の存在に。
「ちょっと待て。会長には見つからないで済んだが、俺はお前に捕まったじゃないか」
「なあんだ、今頃気付いたの?」
気持ち悪いくらいににっこりと笑うスザクに、思わず及び腰になるが、がっちりと腕を抑えられて身動きが取れない。

「ス…スザク…?」
手を離して欲しいんだが。
「甘いよ、ルルーシュ。一度捕まえた獲物を逃がすほど、僕は優しくないよ」
そのまま手近な壁にルルーシュを押し付けて、強引に唇を奪う。

「んっ…」
突然のスザクの行動に対応し切れなかったルルーシュは、スザクの舌が口内に侵入するのを容易に許してしまった。
奥へと逃げるルルーシュの舌にスザクのそれが絡みつく。
「ふっ…う…っん…」
歯列をなぞり、互いの唾液を飲み込み、繋がりを深める。
すべてを奪い尽くそうと蠢くスザクの舌の動きに、ルルーシュは完全に呑み込まれてしまった。

「ふぁ…」
ようやく長い口付けが終わり、二人の唇が離れる。
互いの間を繋ぐ銀糸は、離れたくないとでも言うかのようで。
キス一つでとろんと瞳を潤ませて、スザクにしがみつくルルーシュはとても色っぽい。
格好が女子の制服なのも、スザクの情欲を煽るのに一役買っていた。

「ルルーシュ、可愛い」
「…スザク」
スザクは耳元に唇を寄せて、そっと囁く。

「ねえ、ルルーシュ。これから君の部屋、行ってもいい?」

「…っ…。そんなこと聞くな!」
ルルーシュは顔を真っ赤にして、俯きながらスザクの胸を軽く叩く。
「それはOKってこと?」
「それぐらい察しろ!」
「言ってくれなきゃわからないよ」
「…スザクの馬鹿!言わせるな!」
「言って欲しいんだよ、ルルーシュ」

君が僕のことを想っていてくれるのか、いつでも確認していないと僕は不安なんだ。
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黒(?)スザルルED <僕を信用しちゃダメだよ?>