text内にある「夜道の邂逅」、「純情少女」の続きの話です。高校生スザルル(♀)




「リヴァル、頼みがある」
突然ルルーシュに言われた時は正直言ってかなり驚いた。
あの何でも一人でそつなくこなすルルーシュが、頼み事をしてくるなんて!
しかしその内容を聞いて、驚きはさらに大きくなった。
というより、最初はルルーシュの言葉が理解できなかった。

「え?ごめん、もう一回言って」
「だ、だから!スザクのことを教えてほしいって言ったんだ」

は?
ルルーシュ、今何て言った?

「何でもいいんだ。何が好きだとか、得意なこととか…」
あんぐりと口を開けて硬直するリヴァルの様子に、やっぱり言わなければ良かったと激しい後悔の念がルルーシュを襲う。
そんな柄じゃないことぐらい、自分が一番よくわかってる。
だから嫌だったんだ!
こんなこと聞くなんて、絶対からかわれるに決まってる!

だけどこれ以外に方法はなかったのだ。
会長に頼もうかとも思ったが(なにせ理事長の娘で生徒会長なのだから一生徒のデータぐらい簡単に調べられるだろう)、プロフィールなどは調べられても好みなどはわからない。
それにミレイに散々からかわれ、根掘り葉掘り聞かれるのは必須だったので、自らそんな地雷を踏む気にはなれなかった。
だからといって数少ない友人達に聞こうにも、スザクと親しい人はあまりいない。
それにこういうことは同性の友達に聞くより、異性の友達に聞いたほうがいいだろうことぐらい、ルルーシュだって理解していた。
しかし普段から男を寄せ付けないルルーシュには、男友達などリヴァル以外いなかったのだ。

自分の発言に恥ずかしそうに顔を赤らめるルルーシュに、リヴァルの想像は確信に変わった。
これはもしかしてもしかしなくても、ルルーシュの初恋か!?
「え、なになに?もしかして〜ルルーシュってスザクのこと好…」
ルルーシュの態度からしてもうほとんどバレバレではあったが、少しばかりからかってやろうとあえて口に出してみたのだけれど。

「リヴァル」(にっこり)

「な、なに?」
ちょ、ルルーシュ、笑顔怖えよ!目が笑ってないから!
「何も聞かずに黙ってやってくれるなら、お礼に会長の特別情報を渡してやる」
「…慎んでやらせていただきます!」

あの高嶺の花のルルーシュが恋をしたという情報は価値ある情報だったが、うっかりそんなことを吹聴しようものなら恐ろしい報復が待っていることは想像に難くなかった。
それにリヴァルはミレイの情報が手に入るまたとないチャンスを無駄にする気にはなれなかった。
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